社会人ってバイトより楽してお金もらえるんじゃなかったの?
忙しくてあっという間に死にたくなった社会人
入社して1番最初の給料日までお金がないと言うのはとても辛かった。
なぜならば入社する前にはバイトを辞めるため5月の支払いまでお金がないからである。
1年目のゴールデンウィークまで全くお金がなかった。
お弁当は家で一生懸命作る。
会社で何も買えない。
休みの日にはどこも出かけられない。
社会人になったと言うのにクソ貧乏なのは変わらず。
やっと給料日が来ても苦しめられているものがある。
奨学金だ。
支払うことが決まっている奨学金で毎月20,000円以上持っていかれた。
もちろん自分が好きで行った大学。
それはわかっています。
そのためのお金。
「泣き言言ってんじゃねぇ」と思われるかもしれないが、同じ状況で大学に行っていて奨学金を払わなくても良い人をたくさん知っているのにどうして自分ばかり…とら落ち込んでいた。
お金がない人生。
なんで俺にはお金がないのだろう。
入社して半年位すると残業が増えるようになってきた。
残業が当たり前になってきた。
22時まで残業するのが当たり前。
休みの日も出るようになった。
しばらくして出張になった。
客先に2週間と言う予定だ。
スーツは1着ワイシャツは3着程度がない私は急いで泊まるための用意をした。
それも痛い出費だ。
ちゃんとしたシャツを買いに行く時間もなくドンキで仕方なく買う。
サイズがない。
しかたない。ダボダボのを買う。
出張先のご飯は最初はコンビニで済ませていた。
気づけば季節は冬になるほど長引いた。
外では寒くて食べていられないのでご飯屋さんで食べるようになった。
食費がかさむ。
忙しくて「死んだほうがマシだ」と何度思ったことがあるだろうか。
お金が欲しくて稼げるであろうこの業界に来たのに、すぐ死にたくなった。
入社して1年たたずにあっという間に死にたくなった。
何のために生きてるかわからない。
楽しいことが1つもできなかった。
45階のビルから眺める景色は自分を簡単に殺してくれる世界だと思った。
ロクに連絡の取れない彼女とはすぐに危機が起こった。
朝タクシーに乗りながら彼女からの留守電を聞く。
その留守電にはあなたの気持ちがわからないからもう一緒にいられないという内容だった。
一瞬で全身をかけめぐる血の温度が下がる感覚。
私は生きてる気がしなかった。
それでも仕事をしなくてはいけない。
帰るわけにもいかない。
仕事があるのだから。
ゆっくり電話する暇もないほど忙しい。
ご飯と寝る時間以外は仕事をしていた。
ゆっくり伝える手段も何もないまま仕方なく仕事をこなすしかない。
給与明細を見る。
1番残業が多かった月で40万程度だった。
「たったこれだけ?」
正直に思った。
休みは1日か2日しかなかった月だ。
あんなにプライベートを犠牲にしてまで、彼女に振られてまで仕事に人生を捧げてたったの40万。
たったの40万しかもらえないのか。
と感じてしまった。
死にたいと感じるまで働いて40万しかもらえないのか。
その後に衝撃の事実が発覚する。
もともと出張と言う内容で行っていたのにもかかわらず、炎上しているプロジェクトだったため期限が伸びまくり実際は半年位はいた。
そのため「出張扱い」ではなく「出向扱い」になったのだ。
要するに出張手当は日当が1000円出るが、出向手当だと月3000円程度が付与されるだけ。
既に支払った分は相殺されるそうだ。
こんなクソみたいな世の中があるのか思い知らされた。
服を買ってみた。
何も満たされない。
欲しかったカメラを買ってみた。
満たされない。
気づけばストレスのあまり散財していた。
「割に合わない」
そう素直に思った。
社会人は皆これにたえているのだろうか。
信じられなかった。
父親を素直に尊敬した。
親に申し訳ないと思った。
すごいと思った。
自分のしたい事欲しいものをたくさん我慢し子供たちに食べさせていてくれたんだ。
そう思うと感情がぐちゃぐちゃになった。
お金をたくさん稼いで欲しいものを買って楽しく生活するという淡い期待を抱いていたのにも関わらず、見事に打ち砕かれた。
社会人と言うのは「苦労してお金をもらう」場所だった。
苦労すればするほどお金をもらえるんだなと思わせてくれる場所だった。
その後すぐ東京へ出向になった。
どうやら社内に仕事がないらしい。
うれしくもなんとなかった。
地元にいたいから地元に就職したのに。
社会人になって楽しいことなかった。
辛いことばかりな気がする。
彼女とよりを戻す。
金曜日彼女に会うために各駅停車を使って帰る。
お金を貸すために約3時間かけて帰る。
日曜日の夜にかけて帰る。
月曜始発で帰っている時も。
なにが楽しいのかよくわからなかった。
会社が選んだ住む場所は、東京勤務なのに馬橋とかいうなぜか離れまくっている場所。
通勤だけで1時間かかる。
意味がわからない。
電気代ガス代水道代は使い放題であるレオパレスだからだろう。
クソみたいな場所だった。
住んでいた場所から1時間以上かけて通勤。
通勤ラッシュが想像以上にひどい。
冬でも熱い。
夏は地獄。
そしてだれも手すりをつかまない。
みんなトラックで出荷されるコケシのようだった。
朝を起きる。
会社に行く。
モニタを8時間みつめる。
帰る。
一人でテレビを見る。
これを5回繰り返す。
なんの記憶もない「無」の期間だった。
地元に帰ることになった。
同じタイミングで子供ができた。
結婚する。
当然、心配もあったが幸せになると決意した。
帰ってきたら帰ってきたでまた忙しい仕事。
子供が生まれる前にも納品。
生まれてからも残業は変わらない。
子供が生まれようが残業が続く。
0時に会社を出て家に帰る。
家につき部屋の扉を開けると、開けた音で子供が起きる。
嫁ににらまれ怒られる。
「せっかく寝たのに」
居場所がないと感じた。
会社の業績がおもわしくないのか給与が全く上がらない。
頑張るってなんだろう。
神経をすり減らして。
こびへつらって。
プレイべートをさいて。
それでも給料は変わらない。
そして、残業しても、残業代すらもらえなくなった。
生まれる前は絶対にイクメンなると決めていた。
私は育児に専念すると決めていた。
絶対に子供の面倒をたくさん見る。
そう決めていた。
現実はクソみたいなもんだった。
子供の面倒なんかに生まれてもひとつも見れなかった。
やっと休みになったとしても体が疲れて動かない。
育児ノイローゼで怖い顔になる妻。
泣き続ける我が子。
誰にも相談できず給料は増えない。
何のために頑張っているかわからない。
もう早く帰してほしいとお願いをした。
なるべく早く帰らしてくれと上司に会社にお願いした。
その後、多少気を使ってくれるようになった。
そこでまた東京への出向の話があがる。
早く帰らしてくれとお願いしたそばから東京への出向の話。
正直に全部断った。
子供が小さいから。
送り迎えをしなくてはいけないから。
妻の両親の体調がおもわしくなかったから。
そう上司に伝えた。
上司が役員に私の話をしたところ、「会社がこんな状況なのに断るって事はどういうことかわかってるんだろうな」と言っていたそうな。
要するにクビを覚悟しろってことらしい。
ありえないくらい頭にきた。
頭に血が上った。
体前身がカーッと熱くなった。
毛が逆立つってこういうことなんだろうなと思った。
思いっきり顔に出ていたのか上司に「言いにいくなよ」とクギを刺された。
決意した。
絶対に仕事を辞めてやる。
このクソみたいな会社を。
転職する会社を見つけた。
会社を休まず面接できた。
合格した。
給料が上がった。
年収300万ももらってなかったが、300万円もらえるようになった。
やっとまともな生活ができると思った。
ちゃんと働いてちゃんとお金がもらえてちゃんと食べて。
転職する旨を上司に伝える。
ちゃんと2ヶ月も前に退職する意志を伝え、引継ぎの予定書も提出。
残り3週間程度は可能であればお休みの予定で提出した。
「こんなんできるわけないだろ」と怒られた。
なにが許されないのか?
何が許されない?
引継ぎはちゃんとすると説明したのに。
今まで散々会社に尽くしてきたのに結局最後までクソみたいな待遇しかしてこなかった。
何度自分が持っているノートパソコンに叩き割って帰ることを想像したか。
何度自分のディスプレイを真っ二つに叩き割って帰ることを想像したか。
ご飯に早く行きたいのかやることがなく暇そうで11時45分あたりから自分の机の周りをウロウロするだけのクソ使えない役員がいた。
仕事ねぇなら来るんじゃねよ。
お前たちの余分な給料を払うためにこっちは寝る暇もプライベートも削って子供に会う時間も割いて働いていると言うのに。
飯の前に10分前からバタバタする余裕があるクソみたいな話。
本当に早めにくたばって欲しい。
最終出社日。
さすがに残り最終日1日は休む休めると思っていたら、そう伝わっていなかったらしく「何勝手なことしてくれてんだ」と怒られた。
震えた。
今すぐこいつの頭をカチわってやろうかと思った。
円満退職しようと思っていた。
1日休むだけでこんなに言われる仕事。
なんだかんだ8年いた会社。
円満退職したいと思ったのは虫が良かったのだろうか。
最後までゲロ以下。
いろんな辞める人を見てきた。
泣いてる人もいた。
自分が辞める時は涙なんか一切出なかった。
むしろ笑ってた。
全員この会社と闇に沈めばいいと思ってた。
俺はこのクソみたいな会社を辞めてやっと人間らしい輝かしい未来が待ってるはずなんだと思っていた。
そして転職した。
転職先でがんばって自分を発揮しようとした。
いろいろ提案したり。
必要以上のことをしてみたり。
しかし新しい会社も結局のところくそシステム会社だった。
入ってもシステムを動かして見ておいてねと言われを完全な放置。
社内を案内されるわけでもなく。
必要な書類を1日に持ってったら提出したら特に何もない。
全体に紹介されて終わり。
どの部署もわからない。
システムの使い方も見方だけ説明され後は放置だった。
2週間以上放置だ。
誰も話しかけてこない。
誰も説明をしに来ない。
マニュアルもどこにあるか教えてくれなかった。
教育係もいない。
その後、徐々に仕事を振られこなしていくようになるが、とても終わらない量。
「子どもの迎えを行かなくてはならないから早めに帰らせて欲しい」
という前提条件で入ったのに。
意味がわからない。
この世は苦しいモノにしか見えなかった。
そして朝を起きた瞬間に吐き気が止まらなくなった。
目が開いた瞬間、今日も会社だと脳が認識した瞬間に。
どうしたらいいかわからなかった…。